毎日の看護記録、アセスメントに苦労すること多くないですか?
アセスメントがすぐにできれば、もっと早く帰れるのに。。。なんて思うことありますよね。
看護過程におけるアセスメントは、経験ではなくこつやポイントです。
この看護過程におけるアセスメントは、日々の看護で必ず必要になります。
今回は、看護過程のアセスメントについて書いていきたいと思います。
このような方へ向けて書いています。
・新人看護師の方、病棟勤務だけど、アセスメントが難しくて記録が書けない方
・アセスメントが計画になってるといわれる方
私は、15年以上病棟やICUで看護師をして働いています。
看護過程やアセスメントについては、自分自身も悩んで勉強してきました。
今回は、その学びを生かして
看護過程のアセスメントに難渋している方へ向けて書いていきたいと思います。
そもそも、看護過程におけるアセスメントとは?
看護過程のアセスメントは情報の収集・分析・統合です。
そのアセスメントから看護診療・計画が立案されます。
その立案した計画を実施しそこから得た反応や結果から、
計画が妥当であったかを検討することが評価です。
看護過程におけるアセスメントとは
看護過程は、情報収集アセスメント・看護問題の抽出・看護計画立案・看護実施・評価の5つです。
看護過程
1.情報収集・アセスメント
- 事実、情報に基づいている分析かどうか
- 悪化した原因は何か?現在どのような状態か考える
- 疾患がどんな影響をおよぼしているか?
- 良くするためにどのような介入が良いか?
- 「問題なし」ではなく解決しているか考える。
- 結論に至る理由=解釈を明確にすること
- 思い込み、先入観を捨て事実に目を向ける
- 患者自身が思っていることや、疾病、現在の症状、治療も含めて考える
2.看護問題の抽出
- 各項目の情報や「ニーズ」を関連因子とつなぎ合わせ看護問題を抽出する
- 現在のステージ(急性期、慢性期、老年期など)を合わせて検討する
- 看護問題が複数あれば、優先順位を決定する
関連因子:看護問題の原因、要因⇒看護問題の根拠となる
関連因子には個別性が表される
3.看護計画立案
- 現実的で実行可能
- 個別性があること
- 根拠に基づいていること
- 問題を解決できる計画とすること。
- 関連因子と照らし合わせること
- 看護介入できること
- 優先順位を考える

優先順位の決定
マズローの生理的欲求 5段階
このマズローの生理的欲求をもとに優先順位を決定します。
生理的欲求→生命の維持、呼吸、循環、排泄について
安全の欲求→転倒転落や、誤嚥、安全に治療継続できるか
入院中は、特に上記2つが柱になると思われます。
4.計画実施
- 主語は対象者・家族・対象者の身体の一部
- 治療方針に沿って立案する
- 日程や時期を決めて、患者さんが到達してほしい「望んでいる状態」を目標とする
- 全てのスタッフが評価できる計画とする
5.評価
日々私たちは、この5項目を繰り返しています。
看護過程のポイント
- 先入観で患者さんをみない。
- 情報に基づいたアセスメントを意識する
- 情報の持つ意味を考える(解釈・判断・推論)
- 「問題なし」「~の看護が必要」だけでは裏付けがない
- 結論に至る理由=解釈を明確にすること
- 患者を思い込みで見ない
- ステージが変わっていることに気づかず、患者さんの状態と合っていない計画になっていきます。
看護過程のなかでアセスメントは非常に重要です。
アセスメントを行う上で必要になるのが、ゴードンやヘンダーソンなどの考え方になると思います。
ゴードン:機能的健康パターン11項目
ヘンダーソン:14の基本的欲求
などが挙げられます。
これらの項目ごとに今おかれている現状を考えます。
・なぜそうなったのか?→そのなぜを解決する方法があるかどうか?
・看護介入や指導で解決可能かどうか
・医療介入が必要か
例)肥満、無呼吸症候群あり、食生活は不規則、仕事はリモート、運動習慣なし
看護:食事指導や運動療法などの指導
医療:CPAP導入など行う必要がある場合は、医師にも相談し計画立案します。
患者の強みはないか?→計画に行かせることを探します。
・強みがあれば看護計画に盛り込んでいきます
例)以前はジョギングをしていた、リモートワーク、肥満、無呼吸症候群
ジョギングが好き→まずは散歩から行いジョギングを計画に入れていく
リモートワーク→自宅にいる時間が長い→簡単に作れる制限食レシピの提供を栄養士へ依頼しておくなど
つよ味があると、目標設定がしやすいです。また、患者の自立支援にもつながります。
患者の思いや、症状を踏まえて考えていきましょう。
看護過程アセスメントのタイミング
- 計画立案後1、2週間程度
- 急性期、回復期などに分けている。
- 患者さんの精神状態の変化 身体的変化も考慮して行うと良いでしょう。
実践を踏まえた看護過程におけるアセスメントのこつ
・患者のもつ強みの特定⇒看護介入へ活かす
患者が習慣にしていることや、好きなことなどを
アセスメントに入れて目標への近道を導くカギとなります
・患者の思い、疾患、症状を踏まえる。
患者さんの療養上の思いや、役割における思いなども
アセスメントする際に盛り込むと、より個別性がでます。
・現状の判断 今どんな状態に置かれているか、今後どんなことが予測されるか
術式や、術後の生理的反応をもとに当てはめていくとわかりやすいです。
・原因の特定 なぜそうなったか? 原因はあるのか?ないのか?
疾患の原因は、生活習慣であれば理解しやすいです。
しかし、原因不明の病気、あるいはほかの多数の疾患と関わっている場合が多いです。
多くの疾患が絡んでいる場合、得意な領域から紐解いていきましょう。
・今後の予測
治療による効果と、副作用、治療上必要な侵襲(挿管、透析)
安静期間など考慮し予測を立てるとわかりやすいです。
これらを考えて記録をしていきましょう。
記録(SOAP)のポイント
S:Subject 主観的事実 患者さんの訴え
O:Object 客観的事実 データ 症状
A:Assesment 分析・統合・判断・評価
P:Plan 計画立案
アセスメントには、
情報収集 分析、統合、判断があります。
情報収集
主観的情報(S):患者さんが発した症状や、不安や要望に関する訴え、患者さんの言葉
客観的情報(O):治療の内容、臨床データや、観察した症状、行動、フィジカルアセスメントに基づく情報
情報を分析・統合する
情報の分析統合の段階で、なぜその状態になっているか、今後の治療の経過で何が予測されるか考える必要があります。その過程で、どのような問題点があるか、目指す状態が明確になってきます。
今起こっている、顕在化されている状況と今後予測される潜在的事実を検討していく必要があります。
問題が見えなければ、永遠とルーチンワークを繰り返すだけの看護師になります。
しかし、このアセスメント。意識していけば誰でもできるようになります。
最初は、大変でもいろいろな人と話し、考え方を深めていくとよりよいものになるので、
完璧を求めず自分自身が納得できるようなアセスメント、
看護計画を立てることが看護師人生へ続いてゆく大切なステップになります。
学生時代や新人の頃は、このアセスメントの大切さを知ってもらいたいので
指導者さんや、先生は奮闘します。
時には、厳しいことも言われると思います。
しかし、患者さんと向き合った事実は必ず自分の成長につながります。
ですから、一人で悩まず
スタッフや、メンバーにわからないこと相談しましょう。
今回は、以上になります。
最後まで読んで頂きありがとうございました。